ねぶた師 北村春一
ねぶた師 北村春一

制作ねぶた

2022年

青森県板金工業組合

毘沙門天(びしゃもんてん)吉祥天(きっしょうてん)

  • 優秀制作者賞
優秀制作者賞 毘沙門天と吉祥天
毘沙門天と吉祥天の原画

多くの武将が戦勝祈願をした「毘沙門天」は、七福神の中でも勝運の神様として有名である。
仏教では、悪鬼などから仏教を守る護法善神の一柱とされる。
一般的によく知られている七福神の紅一点弁財天は、かつては「吉祥天」であった。
本来、毘沙門天と夫婦神である吉祥天とは、金運も含む様々な幸運を授けてくれるとされ、美の神様とも言われる。
この夫婦神、元々はインドから伝来しており、毘沙門天はクラーベという神と、ヴィシュヌ神(ラクシュミの夫)とを合わせたものだといわれ、吉祥天はラクシュミという女神であるとされる。
ヴィシュヌや敵対する神々が協力し不老不死の薬を作るため行われた「乳海攪拌」という創世神話。
そこから様々なものが生まれ、ラクシュミも生まれた。
日本も「国生」というイザナギ・イザナミによる創世神話がある。
古代から現在へ、伝説の内容、人物や意味合いも少しずつ変わりながらも、受け継がれていく人々の思いや願いは共通している。
遠くの異なる国や宗教を超えたものの融合と作用、その神秘的な世界観を「ねぶた」として形にしたのが、龍と共に現れ蓮池で舞う「吉祥天」と、悪を退け護国の神とも言われ妻を守る勇ましい姿の「毘沙門天」である。