2022年
NTTグループねぶた
素戔嗚尊八岐大蛇退治


高天ヶ原を追放された素戔嗚尊が出雲の国に降り立つと、川岸で年老いた夫婦と美しい若い娘の櫛名田比売が泣いていた。老夫婦の間には八人の娘がいたが、八岐大蛇に毎年一人ずつ食べられてしまい、その子が最後の娘だった。八岐大蛇は一つの胴体に八つの頭と尾をもち、八つの谷と丘に跨るほど巨大だという。話を聞いた素戔嗚尊は、老夫婦に櫛名田比売との結婚を約束し、家のまわりの垣根に八つの門を設け、強い酒を満たした甕を置いておくよう指示した。準備が整い待ち構えていると、すさまじい地響きとともに八岐大蛇が現れ、八つの酒甕にそれぞれ頭を突っ込んで酒を飲み始め、やがて酔っぱらい眠り込んでしまった。素戔嗚尊は霊剣「天羽々斬」で切りかかり、見事退治することができたのであった。
八岐大蛇をこの世界の災いや疫病などに見立て、豊穣神や防災除疫の神とされる素戔嗚尊がそれを薙ぎ払う様をねぶたの場面で表現し、疫病退散と平和な未来を祈願する。